2004年08月01日

高校試合レポート(1日目)

<<予選リーグ第1試合>>
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【試合コード:H11A】
肯定側      否定側
青雲高校(長崎) vs 八戸高校(青森) 
メリット1. エネルギー自給率の向上
メリット2. 原発事故の回避

デメリット 停電

 肯定側は、代替発電として海洋温度差発電の導入を主張したが、実用化可能性に
不安があるとの反駁がなされ、また、審判からも、実現コストを明示すべきだった
との指摘を受けた。また地震のリスクを十分に立論し得なかった。
 一方で、電力の不安定化による停電の深刻性については、争いがみられなかった。
代替発電が安定的に電力供給出来るという点に疑問が残ったため、勝敗は、0-3で
否定側の勝利となった
(大竹 裕司)
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【試合コード:H11B】
肯定側   否定側
三重高校(三重) vs 創価高校(東京)

【肯定側】
メリット1. 放射能汚染の回避

【否定側】
デメリット1. 停電
デメリット2. 排ガス対策の消滅

 甲子園3回出場の創価高校と一昨年ベスト16まで進出した三重高校との一戦でした。
 三重高校はオーソドックスに「放射能汚染の回避」創価高校はオーソドックスな「停電」と「排ガス対策の消滅」という珍しい議論を出していました。
 三重高校も核心を突いた反論をしていたのですが、創価高校の議論を崩すまではは至らず、ジャッジ3名全員が創価高校の勝ちに投票しました。(上原伸幸)
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【試合コード:H12A】
肯定側  否定側
修猷館高校(福岡) vs 県立新居浜東高校(愛媛)

メリット1:原発震災の回避
メリット2:輸送事故の回避

デメリット1 停電による混乱
デメリット2 生物の生存危機

否定側は、デメリット2の発生過程と深刻性とのリンクの立証が不十分であった。
対して、肯定側が代替発電の実行可能性立証したため、メリット1が残り、デメリット1
が小さくなった。これによりメリット2の発生可能性は低いとの判定が有りつつも、
肯定側の完勝となった。
(近藤 紘子)
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【試合コード:H12B】
肯定側             否定
県立岡山操山高校(岡山)  VS 明星高校(大阪)

 全国大会初出場となる、岡山県立操山高と、全国大会3回目の明星高校の試合。
肯定側のメリットは、「放射能汚染の回避」。現状のままでは大地震、老朽化、人為的ミス、
という3種の原因から原発事故が起きるから、原発を廃止すべきだと主張した。
 これに対し、否定側のデメリットは、「電力危機」。原発の代わりになる、太陽光、
風力などによる発電が力不足で、停電になると主張した。もし停電になれば、試合

場のクーラーが停まる、冷えたジュースも飲めないなど、生活上の電気の必要性を
力説した。激しい論戦の結果審判には、メリットが、事故に至るプロセスの立証が
不十分で、事故の起きる確率は非常に小さいと判断された。これに対しデメリットでは、
肯定側が代替発電で不足を補えると証明しきれず、毎日停電が起きると判断されたため、
デメリットが原発事故のリスクを上回り、3-0で否定側が勝利を収めた。
(曽根文聡)

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【試合コード:H13A】
肯定側          否定側
慶應義塾高等学校   VS 滋賀県立膳所高等学校

メリットを爆発事故の防止に絞り、重要性背は事故の可能性とその重大さを主張した。
それに対してデメリットは。CO2の増加・失業者の増加。
それぞれの深刻性は、国際的な信用の喪失と失業者の生活苦である。
 メリットに関しては否定側によて相当削られているものの、事故のリスクは残るとされた。デメリットに関しては、肯定側の反駁が有効との判断がなされ、3-0で肯定側、
慶応高等学校が勝利した。
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【試合コード:H13B】
肯定側   否定側
県立三池高校(福岡) vs 県立丸亀高校(香川)

 今回は九州代表で3度目の出場となる三池高校と初出場の丸亀高校との対戦となった。肯定側は「放射能からの人命保護」「温暖化防止」という2つのメリットを掲げ、否定側は「停電」「京都議定書の達成が出来なくなる」というデメリットを掲げ、激戦を繰り広げた。
 双方とも証拠資料をぶつけあっての熱い戦いとなり、コミュニケーション点では初出場の丸亀高校が上回ったものの、出場経験の多い三池高校に2対1で軍配があがり、肯定側が勝利した。(関西学院大学1年: 野寺正秀)
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【試合コード:H14A】
肯定側   否定側

ノートルダム清心(広島) vs 早稲田大学高等学院(東京)

【肯定側】
メリット1. 地震による放射能漏れの防止

【否定側】
デメリット1. 停電の発生
デメリット2. 経済被害

 昨年3位の肯定側ノートルダム清心高校と準優勝の早稲田大学高等学院の強豪対決。メリット「地震による放射能漏れの防止」に対し、否定側は自動停止多重安全装置があるので事故は起きないと主張したが、たった1回の事故でもリスクは大変大きいと判断された。それに対して、D1の停電の発生は、深刻性が小さいこと、D2の経済被害は、具体的影響が証明されていないと判断したジャッジが多く、肯定側に軍配が上がった。(船木大)
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【試合コード:H14B】
肯定側   否定側
県立能代高校(秋田) vs 滝高校(愛知)

 肯定側の秋田・県立能代高校は、過去6回出場のいわば常連校。対する否定側、愛知・滝高校は初出場。共に勢いをつけたい第1試合。
 能代の挙げたメリットは「放射能漏れの防止」。代替発電は「LNGコンバイン」。
 滝の挙げたデメリットは「地球温暖化(国際的信用の低下)(死亡率増加)(都市沈没)」。
 議論の重心となったのは、M「地震と被害のつながり(主に浜岡原発)」DM「温暖化と被害のつながり」
 互いに、発生過程とM/DMの結びつきを攻撃し、Mの発生の確実性とDMの被害の大きさ(深刻性)の比較を行った。
 「スタンスのはっきりした試合となるも、その比較やそのスタンスへ至る理由に、あと一歩踏み込めていない」との主審のコメント。(土屋ハインリッヒ)
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【試合コード:H15A】
肯定           否定
県立千種高校(千葉) vs 開成高校(東京)

 メリットは、原発事故の回避、の1点、
デメリットは、代替発電となる高速増殖炉の開発の可能性の消滅
肯定側は日本で大地震が起こることが前提となっていました。その立証が十分で
なかったとった否定側も、「将来の宝」という曖昧な表現だったため、本当に大切か
どうかはわからないという判断でした。
 ただし、肯定側のほうが、より立証責任を果たしていない、ということで、
僅差でしたが、1-2で否定側の勝ちでした。
(本土 歩美)
(福岡教育大学附属小倉中 福岡県立 小倉高校 OG)
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【試合コード:H16A】
肯定側    否定側 
東海高校(愛知)vs関西創価高校(大阪)

 全国大会、初めての第一試合、最初から強豪東海高校と執念での全国出場を果たした関西創価高校の対戦であった。
 肯定側のメリットは「危険の回避」。浜岡原発を例に挙げ、地震を様々な角度から検証をした密度の濃い内容であった。
 それに反して否定側は「温暖化」と「失業者の増加」という新しい視点から原発の問題を取り上げた斬新なものであったように思う。
 それにもまして驚いたのが、双方の証拠資料の充実ぶりである。押せば引く、引けば押すという言葉を忘れてしまうほど、押せば押し出すものが多かったように思う。双方共に入念な準備を下に全国大会に臨んできたものと思われる。
 試合の結果であるが、まず否定側のデメリットはジャッジに良くその意図が伝わらなかったのが残念なところである。結論としてメリットの危険回避とデメリットの失業者の増加の一騎打ちになった。これはジャッジの判定が割れるほど切迫した内容であったが、勝敗はいは失業者の増加をとったジャッジと原発のメルトダウンをとったジャッジが割れ、否定側、関西創価
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【試合コード:H16B】
肯定側         否定側
県立下館第一高校(茨城)vs 県立長崎南高校(長崎)

非常に聞き取り易く、争点が分かり易いディベートでした。両チームでのシートの提供や
資料の積極提供も見られ、実にさわやかなものでした。
 地道な説明の積み上げと、聞き手の立場に立った表現で、肯定側が勝利を勝ち取りました。
(大山大輔)
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【試合コード:H17A】
肯定側
駿台甲府高校(山梨) VS 北嶺高校(北海道)

メリット: 原発事故回避
      労働者被爆の回避
デメリット:海外原発の危険の増加。
      
放射能漏れは反駁によりほとんど可能性無しと判断、素晴らしい反駁、労働者も、他の
事例ではほとんど起こらないことが証明された。
 外国もよくわからず、100%発生するわけではなく、ジャッジ任せになり、割れた試合となった。
 原発事故も証明足らず、デメリットは反駁されなかったので残った形。
(那須 雄太)
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【試合コード:H17B】
肯定側            否定
県立富山中部高校(富山) vs 県立高蔵寺高校(愛知)

 廃棄物の危険性はわかりましたが、実際どう作用してどう重要なのかが示されな
かったので、M1が発生しにくい、ほぼ発生しないような状況になってしまい、残念でした。
 また、賛成、反対の差が、7%と少なく、重要性がかなり小さく扱われました。
 また、否定立論での、CO2増加は確かにふえるが、試算の前提が違い、また世界規模の
影響がわからないので、発生しても小さいとされました。
 結果としては、否定の方が、比較的多くとられました。
(高橋徹)
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【試合コード:H18A】
肯定側 否定側
県立小倉高校(福岡)VS東北学院高校(宮城)

昨年に続く予選突破を目指す小倉高校と、リベンジを果たしたい東北学院の対戦。
 メリットは、「地震などによる事故の防止」、デメリットは「一次エネルギーの不足」、
「停電」であった。
 メリットは発生過程の確率が低く、デメリット1はウランの不足が起こるまでの時限的なもの、デメリット2とほぼ発生せずという議論となった。
メリット1と2の比較の結果、大きな深刻性はあるが、発生過程はきわめて少ないメリットより、確実に一定量が発生しうると考えられるデメリットを大きく取り、否定側の勝利となった。
(酒井崇匡)
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【試合コード:H18B】
肯定側    否定側 
県立岡崎高校(愛知)vs 県立金津高校(福井)

 試合開始前の両チームは対照的だった。終始リラックスして笑顔も見えた肯定側・岡崎高校に対し、黙々と準備する否定側・金津高校。しかし、試合が始まると当然双方とも顔つきが真剣になっていったのが印象に残った。肯定側のメリットは「事故の回避」で、否定側のデメリットは「経済の低下」と「アジアに技術協力」だったが、メリットの守りとデメリットの攻撃両方における肯定側第一反駁に対して否定側から有効な反駁がなかったことからメリットが残り、デメリットが小さくなってしまったため、判定3-0で肯定側・岡崎高校が勝利を収めた。(嶋田美樹)
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<<予選リーグ第2試合>>
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【試合コード:H25B】
肯定側      否定側
開成高等学校(東京) vs 札幌聖心女子学院高校(北海道)

肯定側メリットは、「原発事故の消滅」。否定側デメリットは「地球温暖化」であった。
とても白熱した議論、試合だった。お互いの立論においての検証を細かく行い、言葉の定義を明確に行っている、まさに言葉の格闘技となる試合だった。北海道1位vs 強豪開成の試合は肯定側第二反駁がおわるまで目が離せない状況だった。ただし、立論そのものにはまだ未熟さがあります。決め手になったのは、否定側第一反駁の明確な反駁で、肯定側のメリットの反駁を減少させたことにある。肯定側の第二反駁も素晴らしかったが、少し遅すぎた。このことにより、否定側3-0の否定側、札幌聖心女子学院高校の勝利、数字上では圧勝だが、白熱した戦いであり、2004年大会屈指の名勝負で有ったと思う。

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【試合コード:H21A】
肯定側    否定側
創価高校(東京) VS 青雲高校(長崎)

メリット:事故の回避
デメリット:電力不足の発生

肯定側は東海大地震による浜岡原発事故の危険に論点を絞り、綿密な立証を行った・想定する大地震が発生するのかという点などで争いがあったが、リスクはある程度残るとされた。否定側では石油資源の枯渇による電力不足は発生しうるとされたが、石油が無くなると原発も使用不能になるという反論があり、デメリットの固有性への有効なアタックがあった。
 最終的に、メリット、デメリットの評価に差が生じたが、2-1で肯定の勝利となった。
(大竹 裕司)
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【試合コード:H21B】
肯定側    否定側
県立八戸高校(青森) VS 三重高校(三重)
メリット  長期的な発電量の重視

デメリット1 地域の困窮
デメリット2 失業者増加
肯定、否定共に珍しいメリット、デメリットでした。肯定の立論に対して、否定側はかなり核心を突く反論をしていたのですが、否定側の立論を守れず、2-1の判定で否定側に負けてしまいました。肯定側はとてもスピーチがうまく、説得するという技術はとても高いなあとおもいました。
(上原 伸孝)
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【試合コード:H22A】
肯定側    否定側
明星高校(大阪) VS 修猷館高校(福岡)
メリット 原発震災の回避

デメリット1 エネルギー不足
デメリット2 死者の増加

 肯定側の立論が第二反駁においてニュー・アーギュメントが多かった。より細かい発生過程の論証が望まれた一方、否定側も、より一層深刻性について詳しく述べる必要があるとされた。両者とも、今後の試合へ向けたポイントが見つかった試合であったが、結果としては、効果的な反駁を行えた肯定側が完勝した。
(近藤 紘子)
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【試合コード:H22B】
肯定側    否定側
県立新居浜東高校(愛媛) VS 県立岡山操山(岡山)
 
 肯定側の愛媛県立新居浜東高校は、地震と人災による原発事故と、核廃棄物が地下水に溶け出す危険性を指摘し、2つのメリット、「安全な発電方法への移行」「核廃棄物の放射能漏れを防ぐ」を主張したが、反駁が上手く運ばず、大きくは評価されなかった。これに対し、否定側の岡山県立岡山操山高校は、デメリット2点目の「二酸化炭素排出の増加」はあまり評価されなかったが、1点目の「大規模停電」が認められ、メリットを上回った。3-0の圧勝であった。
 双方とも、よく考えられた立論ではあったが、肯定側の新居浜東高校には、遅すぎる反駁が目立ち、きちんと説明をしたにもかかわらず審判に評価されず、非常に惜しい結果になってしまった。明日の改善が期待される。
(曽根 文聡)
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【試合コード:H23A】
肯定側    否定側
県立丸亀高等学校(香川県) VS 慶應義塾高等学校(神奈川県)

メリットは、原発テロの回避、デメリットは、LNGタンク爆発の危険性増加と失業者の増加の2つである。
 議論の前提であるプランの実効性について多少混乱した部分があったものの、両校ともコミュニケーションで高い評価を受けた。
試合結果は3-0で肯定側の勝利となった。
(廣江 真夏子)
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【試合コード:H23B】
肯定側            否定側
  県立膳所高校(滋賀) VS 県立三池高校(福岡)
 今回の試合は両チームとも過去3回の全国大会出場経験があり、そのため証拠資料が多数ぶつかりあう混戦となった。肯定側は「国民の安全保護」を掲げ、否定側は、「電力不足による混乱」を揚げた。
 双方とも、お互いの矛盾点や立証の甘い点を反証し、つぶしあった結果、お互いの立論の発生が少なくなり、リスクの大きさがかろうじて残った結果、2対1で肯定側の勝利となった。
(関西学院大学 1年  野寺 正秀)
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【試合コード:H24A】
肯定側    否定側
滝高校  (愛知) VS ノートルダム清心高校(広島)
メリット 被爆の回避

デメリット 失業者の増加

2-1で肯定。

昨年3位のノートルダム清心に初出場の滝高校が挑んだ。メリット 被爆の回避は地震による事故により7段階に分けて放射能漏れを証明した。否定からは、地震対策と安全装置の反駁があったが、肯定側の分析の方が深いと判断された。
 対して、デメリットの失業者の増加は、失業者の概算が多すぎることで信憑性が疑われ、小さく評価した。多数ジャッジが少人数の失業より、大規模事故のリスクの方が大きいと判断した。
(船木 大)
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【試合コード:H24B】
肯定側    否定側
早稲田大学高等学院(東京) VS 県立能代高校(秋田)

両校は共に4年連続でディベート甲子園に出場し、2回ずつ決勝トーナメントに出場を果たしている。
 今回のこれまでの結果は早大学院:1敗、能代高校、1勝となっている。早大学院の挙げたメリットは、「地震による放射能漏れの回避」、代替発電は「太陽熱・自然エネルギー(海洋温度差発電)」能代の挙げたデメリットは、「コスト」、「電力不足」。
 議論の中心となったのは「地震発生時、それが事故に結びつくか」、「自然エネルギー
導入実現時の実際のコスト」
◎ 実験値と稼働時の差異問題。
  肯定 新技術実用化時
  否定 新型原発発電施設は耐震実験に合格。でも稼働している旧型は危険。

判定:実際の稼働時のデータという視点を強調できた肯定側に軍配。

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【試合コード:H25A】
肯定側    否定側
清和高校(佐賀) VS 千種高校(愛知)

ディベート甲子園常連の愛知県立千種高校。
メリットは事故の回避、労働者の救済の2点でした。
デメリットは失業者の増加、CO2の増加の2点でした。
 大きな論点となったのは、メリットであったが、否定側の方がより
論証が緻密だったのでととったジャッジが多かった。
 肯定側はプランをもっと上手に使えば、デメリット1をより小さくすることが出来たと思う。
(本土 歩美)
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【試合コード:H25B】
肯定側    否定側
開成高校(東京) VS 札幌聖心女子学院高校(北海道)

とても白熱した議論、試合だった。第二反駁が特に素晴らしい。
お互いの立論においての検証を細かく行い、言葉の定義を明確に行っている。
まさに、言葉の格闘技となる試合だった。北海道1位vs強豪開成。
試合は、肯定側第2反駁が終わるまで目が離せない展開だった。ただし、立論そのものにはまだ未熟さがあります。
決め手になったのは・・・
否定側1反の明確な反駁で、肯定側のメリットの発生を減少させたことにある。
肯定側の2反も素晴らしかったが、少し遅すぎた。このことにより、3-0で否定側、札幌聖心女子学院の勝利。数字上では圧勝であるが、白熱した戦いであり、2004年全国大会屈指の名勝負であったと思う。
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【試合コード:H26A】
肯定側    否定側
県立長崎南(長崎) VS 東海(愛知)

全国大会の常連であり、修学旅行以上に大躍進をとげる(詳しくはパンフレットを参照されたい)東海高校か、はたまた九州の新星、長崎高校か-と、伝統とそれを打ち破ろうとする激しい戦いの結果が注目される試合であるが、結果を先に出すとおそらく最後の行まですっ飛ばす人が大半だろう。それを防ぐためにも、結果は最後まで温存させて頂く。
 まず、試合の流れをざっと振り返ってみよう。肯定側の長崎南高校が打ち出したメリットは(原発の)安全確保、浜岡原発や福島原発の破折事故の例を挙げ、最悪チェルノブイリ級の大惨事が起こりかねないという事を指摘していた。対して否定側の東海高校は「原子力産業の雇用の消失」と「地域の衰退」という2本立てであった。
今までの試合の中でもっともメリットとデメリットが浮き彫りになっていた、というのが第一の感想であり、両校のディベーターの質の高さをうかがわせる。つい試合に見とれて「残りあと何分」のタグを回し忘れてしまったというポカミスをおかしてしまったが、決勝戦がより楽しみに思えてくるくらい良い試合に、不運にもめぐりあってしまったからという言い訳をしておく。
 長々とじらしてきたが、結果としては、肯定側の議論を精密に分析して、効果的な反駁を展開した東海高校が多くのジャッジの評価を受けた。
(海老原 格)
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【試合コード:H26B】
肯定側    否定側
関西創価高校(大阪) VS 県立下館第一高校(茨城)
 両者とも、やりとりが明快であり、見ていて気分の良いものであった。
認めるところは認め、議論のキャッチボールを使用という意図が感じられた。
双方とも、スピーチにゆとりを持たせ、資料の開示も行っていた。
争点は肯定側の主張する大事故が起きるのかどうかで否定側の着実で
はっきりした主張との間で、肯定2,否定1 と票が割れ、激戦だった。

(大山 大輔)
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【試合コード:H27A】
肯定側    否定側
高蔵寺高校(愛知) VS 駿台甲府高校(山梨)

メリット 地震事故防ぐ、

デメリット 電力不足
      雇用減る

事故はほぼつぶされたジャッジによって分かれたが、事故が起こると思ったジャッジは肯定は入れた。電力不足は現状でも起こるから、固有性無し、失業も微妙、火力の方が雇用は多くがプランなどからターンにならず、結果、事故なら肯定、起こらないなら否定。
(那須 雄太)
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【試合コード:H27B】
肯定側    否定側
北嶺(北海道) VS 県立富山中部 (富山)

デメリットは電力不足を前提にしていたので、肯定側のガスコンドインの話に当てはまらず、評価が出来ませんでした。また、浜岡原発は、「炉心崩壊」「冷却P管破断」の2つのプロセスから大事故につながると見られ、肯定側の方が発生すると取られました。

(高橋徹)
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【試合コード:H28A】
肯定側    否定側
金津高校(福井) VS 小倉 (福岡)

2年ぶりの出場となる金津高校と昨年ベスト16の小倉高の対戦。
メリットは「安全性の確保」デメリットは、「」「火力依存による停電」であった。
相互からメリット・デメリットに対して反駁が行われたが、プラン中火力を代替発電とする、という項目が無く、それ以外を代替としていたので、そもそもデメリットが発生しえないという判断をしている審査員もいた。
 メリットに関しては微小ながら残っており、デメリットを向こうとした審査員が
2名あったため、肯定勝利となった。
(酒井崇匡)
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【試合コード:H28B】
肯定側    否定側
  東北学院高校(宮城) VS 県立岡崎高校(愛知)
肯定側が出したメリットは、「放射能の危険性回避」と「分散型発電の実現」の2つ、対して否定側が出したデメリットは、「異常気象の増加」でした。メリット1は、否定側の反駁によってちいさくなりましたが、メリット2に対しては、特に有効な反駁が無かったので残ったのに対し、否定側のデメリットは、肯定側からの反駁からに対して再反駁をしきれていなかったため、あまり大きいデメリットにならなかったという評価でした。どちらの立論も緻密に構成されていたのですが、そのせいで1つの論点に対する議論が深くならなかったという指摘もありました。勝敗は3-0で肯定側、東北学院高校が勝利しました。
(嶋田 美樹)
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投稿者 s98351hk : 2004年08月01日 02:10 | トラックバック